私の好きな彼は私の親友が好きで
相変わらず陽菜ちゃんからはメッセージが入るが
全然返信していない・・
省吾との事、省吾が口にしていた浮気相手の性癖・・
純粋だと思っていたのに、お店の予約すら美月にさせて、
それを自分が頑張ったかのように言っていた。
予約の名前で、気が付かない自分のバカさ加減。
シェフがデザートを持参した時の間は・・常連さんに
挨拶する為に来て、知らぬ顔の2人に困惑したのだ。

陽菜ちゃんの言葉が全部嘘に思えてしまう。
門限があると言うのさえ、省吾との事を聴くと信じられなかった。
俺と出掛けて楽しかった、と言うのも違うと思った。

俺の傍に美月がいたから、興味を示しただけなんだ・・
そう思うとシックリした。何年も友達だったのに、今更
陽菜ちゃんが俺に興味を抱くのが可笑しいと、もっと早く気が付いて
美月と笑い合えば良かったんだ。

美月が何時までも傍に居るからと、美月との事を考えなかった。
陽菜ちゃんと一緒に出掛けたランチを一寸嬉しく、浮かれた俺は
想像以上の 大きな罰を下された。

この1ヶ月、美月と過ごした週末が身体に、心に沁みこんでいて
1人で過ごす週末が苦しみに支配された。

< 28 / 105 >

この作品をシェア

pagetop