私の好きな彼は私の親友が好きで
あれ以来、パッタリ陽菜ちゃんからのメッセージが無くなった。
大学でも省吾と一緒に、一番後ろの席で講義を受けている。
そうそすると不思議なことに、陽菜ちゃんの周りには男子学生だけで
女友達が居ない事に気が付いた。
今までは他の女子とも一緒に居たような気がしていたが・・
省吾が「美月の友達が殆どだったんだよ。」と・・口にしたのと
「又、Hの悪い病気が始まったよ・・」
「男なら誰でも良いんじゃない?」と女子の囁き声が同時だった。

(もしかしてHって・・)

知らなかったのは俺と美月と、餌食になっていない
残りの男子位か・・

美月が居ない理由も留学と言う話が、いつの間にか知れ渡っていた。
どうも、留学先はイギリスらしかった。
留学先を耳にしてからイギリスへの飛行ルートを調べたり、
時差を調べると遠いと改めて感じた。

もう、自分の部屋に美月の匂いは無かった。

美月は何も残していかなかった。
その事が余計、2度と会えないのではと、不安に胸が支配された。

美月を思い出すのは猫のヌイグルミだけ・・

                       亮介視点〈了〉

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