私の好きな彼は私の親友が好きで

「あらあら、なんか楽しそうじゃない~~~」
「本当! 若いっていいわね~って 薫はおじさんか!!」
テンション高めの2人が、リビングにグラス片手に乱入してきた。
「2人とも部屋みた?」
「美穂ちゃん、部屋みようよ!」と勝手に又居なくなる・・

「お互い、自由な母を持ったな。」
「ですね。」と2人で苦笑いし、その2つの背中を見送った。
あちこちから2人のはしゃぐ声が聴こえる。
あ~母にも学生時代があったのだ。と思い、自分も彩と会うと
こうなのだろうか?と思ったりしていると
「散歩行かない?
ここ、イルミネーション綺麗みたいだし、このまま部屋に居ても
あの2人にいい様にされそうだから。」
「ですね。行きましょうか。」
と2人で出掛ける準備していたら
「2人ともスマホを出しなさい。」と母達・・
「あの~どうして?」
「薫は仕事の電話がかかってくるかもしれないし」
「美月ちゃんは 彩ちゃんに連絡して脱走しそうだから。」
「そんな~」
「良いから、2人とも黙って出しなさい・・」
何気に目が座ってませんか?お母様。
薫さんと目が合いその眼は(面倒だから、出そう)と言っているように
見えた。

2人で散歩しながら「酔っ払いの言う事を利いたのは、癪だけれど
邪魔されなくて良いですね。」との意見は一致した。

「寒いけれど素敵ですね。」
「うん。街中のイルミネーションと違い、そこまで混雑していないのは
良いね。後で部屋からも観てみよう。」
「そうですね。上から見たら又、違う雰囲気ですよね。
やっぱりイルミネーション 素敵!」
「好きかい?」
「はい。」
「じゃあ、来年もここに泊まろう。流石に今日の部屋じゃないけれど」
それは・・・
私は曖昧に頷きながらある事を決心していた。
< 40 / 105 >

この作品をシェア

pagetop