私の好きな彼は私の親友が好きで
部屋に帰宅してから私達は沢山のキスをした。
ソファーに座っても、テレビを観ていても、いつの間にか
唇を重ね、舌を絡ませ、何度も何度も。私の子宮がキュンキュンして、
その先を私の身体は期待していた。
でも、期待とは反して、私達は何時もの様に、何時ものバックハグで
眠りについた。
ひとつ、違ったのは私の手に重ねられ、何時も優しく擦ってくれていた
薫さんの手から今夜伝わったのは、優しさでは無く、
その先に待ちうけているであろう,扇情的な
指先の動きに感じたのは、私だけなのだろうか・・
翌日、薫さんの私に対する態度が更に甘くなった。
寝ている薫さんの腕の中を静かにすり抜け、朝ご飯の支度を
キッチンでしている私の身体に、突然、巻き付かれた腕に
「目が覚めたら、美月ちゃんが居なくて寂しかった」と甘い言葉を
口にする薫さん。
今まで、色々の言葉をかけてくれた。でも、手を繋ぐことはあったけれど、
寝る時以外に、こんな風に身体に触れられる事は無かった。
それが嬉しく恥ずかしい。
「今日は午前中にはベッドが届くから、それが設置されてから
買い物に行こう。美月ちゃんは何か欲しいのはある?」
「お正月はどうしますか?」
「うん。元旦に先ずは、飯島の家に挨拶に行って、それから
美月ちゃんの家に挨拶して、初詣しながら出来れば2人で、
此処に帰ってきたいな。」
「そうですね。家でノンビリしたいですねよ。その為に、両家への手土産と
スーパーが休みの間の食料品を買い足したいです。」
クスっと笑う薫さんに???
「美月ちゃんが、ここを家って言ってくれたのが嬉しくて・・」
「あっ!」恥ずかしくて俯くと
「嬉しいんだよ。」そんな事をサラッと言ってくれる。
この人には安心感しかない・・イケメンだし、スペックも高いから
心配な事は沢山ありそうだけれど、安心感を与えてくれる。
これが普通の恋の仕方なのだろうか?
それとも、薫さんが特別なのだろうか?
それでも、幸せな気持ちの方が大きく、くだらない事は考えるのはよそう!と
思っていた。