婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
第五章 食べて踊って恋をして

マリオネットと腹話術

静かな図書室でサピエタ語の勉強に勤しんでいる。

次に向かうのは、機械帝国マキナゥスブスだ。
荒廃した土地に科学者が住み着き、軍事と産業で建国を果たした。その建国30周年記念式典にバスィーム王子が招かれて、お約束の余興で建国の過程を神話的に表現する。

ファイサル船長が企画・構成、ブルハーンさんが作曲中。
ホスニーは衣装の試作を縫いまくり、ライラは機械移植を猛烈研究中。
レイスとバディーアとメイムーンは万が一に備えて武術の訓練場で修行。

私としては、とてーも恐い。
軍事国というだけで恐いのに、マキナゥスブスには意志を持つマリオネットがいるらしい。どういう事だろう。世界は不思議に満ちている。


「ダリヤ」

「〝その椅子に座ってはいけません〟」

「なんだ?」


 バスィーム王子の手が背後から下りてきて、分厚い書物に指を置いた。
< 122 / 174 >

この作品をシェア

pagetop