婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
「よし、こうしよう。ダリヤ含む小柄な集団が木こり、それ以外を道化師一座、バディーアに吟遊詩人を演じてもらう。吟遊詩人が木こり集団に異国の物語を聞かせ、そこで道化師たちが踊る。木こり集団は憤懣やる方ない様子で、勤労の素晴らしさを歌い踊る。吟遊詩人が木こりの歌を讃え、最後は道化師一座も斧を持って踊る」
「友愛がテーマ、と」
「ダリヤ。ブルハーンが曲を作る間にホスニーのところへ行こう。童話を聞かせて、衣装と小道具を作らせる」
ファイサル船長がさっと分厚い本を小脇に抱えた。
ブルハーンは鉛筆を舐めて、宙を眺めていた目を私に向ける。
「ありがとうダリヤ。ラララ~ン♪」
「!?」
ブルハーンが、う、歌った……!