婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
「お父様!」
「ダリヤ!!」
古くからの知り合いである侯爵たちと話しているところへ割り込む形になったけれど、今日は相手も快く迎えてくれる。順に握手をして、お父様と抱擁を交わした。
「おめでとうお父様」
「お前が来てくれるなんて本当に感激した。バスィーム殿下になんとお礼申し上げたらいいか」
「私はお父様の娘なんだから、当然の事だって」
「お前を空賊に売り渡すような真似をしてしまったと悔やんだ夜もあったが、私が間違っていた。そうだ! 通訳の仕事はどうだった? うまくいっているのか?」
「ええ。楽しいわ」
「そうかぁ! よかったぁっ!」
お父様が感激して泣き出し、侯爵たちがドッと笑う。