婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
「〝素敵な宴で主役の身内がそんなしかめっ面しないの〟」
「〝誰のせい〟?」
バディーアからグラスを受取って、隣に並ぶ。
目の前には新鮮な果物が並び、食欲をそそる瑞々しい匂いに満ちていた。こんな清々しいところで浮気なんて、バディーアは罪な人だ。
「〝ルゥルゥに悪いと思わないの〟?」
「〝ただの挨拶じゃない。いつもちゃんとあの子のところに帰るわよ〟」
「〝でも不安だからやきもち焼くんでしょ? 大切じゃないの〟?」
「〝大切よ。嫉妬するあの子、可愛いの〟」
この女……。
「ちょっとダリヤ!」
「?」
高い声で呼ばれて振り向くと、アスィーラお姉様が突進してきた。4人姉妹の長女で、とっくに嫁いでいたので久しぶりの再会だった。元気な後継ぎを産んだのに、美貌も体形も完璧だ。いつ見ても同じ両親から生まれた実の姉とは信じられない。
「〝アスィーラお姉様! お元気でした? 会えて嬉しいです。バディーア、姉のアスィーラ。お姉様、友達のバディーア〟」
「あ……ごめんなさい、その言葉はわからないわ」
「……」
隣でバディーアがくすくすと笑っている。それからお姉様に恭しく頭を下げて、私の肩を叩き、片目を瞑って余所へ移った。
「〝誰のせい〟?」
バディーアからグラスを受取って、隣に並ぶ。
目の前には新鮮な果物が並び、食欲をそそる瑞々しい匂いに満ちていた。こんな清々しいところで浮気なんて、バディーアは罪な人だ。
「〝ルゥルゥに悪いと思わないの〟?」
「〝ただの挨拶じゃない。いつもちゃんとあの子のところに帰るわよ〟」
「〝でも不安だからやきもち焼くんでしょ? 大切じゃないの〟?」
「〝大切よ。嫉妬するあの子、可愛いの〟」
この女……。
「ちょっとダリヤ!」
「?」
高い声で呼ばれて振り向くと、アスィーラお姉様が突進してきた。4人姉妹の長女で、とっくに嫁いでいたので久しぶりの再会だった。元気な後継ぎを産んだのに、美貌も体形も完璧だ。いつ見ても同じ両親から生まれた実の姉とは信じられない。
「〝アスィーラお姉様! お元気でした? 会えて嬉しいです。バディーア、姉のアスィーラ。お姉様、友達のバディーア〟」
「あ……ごめんなさい、その言葉はわからないわ」
「……」
隣でバディーアがくすくすと笑っている。それからお姉様に恭しく頭を下げて、私の肩を叩き、片目を瞑って余所へ移った。