婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
「バンビちゃぁ~んッ! そんな簡単にふたりっきりになんてさせないわよッ! あなたも、バスィも、アタシたちみんなのものなんだからっ♪」
「ハハハ☆彡 デカい子どもたちが集まって来たぞ」
「……え?」
待って。
大切な仲間ができて幸せなんだけど……
みんなのお母さんになったつもりはないッ!
「もうちょっと、小さい子がいいんですけど」
「ダリヤ! 一緒に踊ろう!」
ルゥルゥが突進してきて、私を王子から引っぺがした。
「……」
言った。
小さな子って、言ったけど……
小さな体から溢れる大きな力に乗せられて、仕方なく甲板で踊り始める。バディーアが手を叩いて歌い始めると、王子とレイスとメイムーンも足を踏み鳴らし吠えるように声を乗せた。
騒がしい……。
伴奏もなにもない、ただただ騒がしい宴が始まってしまった。
でも、みんな心から楽しんでいる。
笑顔が弾け、歓声が轟いて、とても愉快だ。