婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
「残念ねぇ」

「お母様……っ」


破談になって落ち込んでいる私に、お母様は困ったような溜息を浴びせた。


「なぜかしら。アスィーラもアミーラもアリージュも私に似てとっても美しくて、気品と色気を兼ね備えて殿方を虜にしているのに。なぜかダリヤだけ可愛くないのよね」

「……お母しゃま……」


泣きながら崩れ落ちた。

ひどい。
実の母親ならもう少し言い方ってものがあると思う。

 
「んー。やっぱり、今度こそ男の子を……って一家全員でお祈りし過ぎたのがいけなかったのかしら」

「……おか」

「男の子みたいなのよね、ダリヤは」

「あああっ」


私だって、お姉様たちみたいに可愛く生まれていたら、お洒落にもっと燃えたかもしれない。
でもみんなみたいにぱっちり二重でもなければ、胸もボインじゃない。
 
どうして私だけ一重なの?
どうして私の胸はお皿なの?
< 2 / 174 >

この作品をシェア

pagetop