婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
「乗りたくありませんッ!」

「おお、ダリヤ。やっと喋ったな☆彡」

「星を飛ばしている場合ですか! こっ、こんな巨大な船が」

「さっき父上に聞いた」

「私が言いたいのは浮くわけがないという事ですッ!!」


しかし船は浮いた。


「達者でなぁ~っ、ダリヤぁ~ッ!!」

「おどうじゃまぁぁぁっ!」


舳先に身を乗り出して、地上のお父様と惜別を交わす。


「ハハハ☆ なに、寂しさも旅の楽しさにすぐ忘れる」

「恐いんじゃいッ!」


泣きながら背後のバスィーム王子を睨む。


「ハッハッハ☆彡」

「……」


太陽の光を受けて、褐色の肌と白い歯が煌めいた。
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