婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
第二章 王子と愉快な仲間たち

……オカマ?

「見てみろダリヤ。いい景色だぞ」

「……ぐすん」


甲板に跪いて泣く私を、バスィーム王子が促した。
初めて優しく声をかけられて、顔をあげる。

手すりの向こうには、青空。
 
 
「……っ」


手すりにつかまっても足がガクガク震えた。
平均台より高いところなんて、歩いた事がない。

木登りだって、お姉様にサルと笑われて思い留まったというのに。
もう木より高い位置にいる……!

足元に広がる、緑の大地。


「──」


美しさに、息が止まった。


「どうだ」
 
「……すごい……!」


辺り一面、青々とした瑞々しい大地が広がっている。
 

「……うわぁ!」
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