婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
「お前に怯えてるんじゃないか?」

「まっ! 失……礼ね、あなた! ちょっと聞いた? アタシ恐くないわよね? ねえ、バンビちゃん? 恐くないわよね?」

「──」


恐い!

初めてだ。

私、こういう人に会うの、初めて……!

ガチムチレイスの上腕二頭筋に意識を集中して、胸筋のハリツヤにうっとりして、太く逞しい首を食い入るように見つめて、そして私を見おろす焦げ茶色の瞳を覗いてみた。


「あらぁん。この魅惑のボディに見惚れちゃったのねん♪」

「……」
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