婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
「では、ダリヤのお望み通り、この中で一番まともなヤツのところに連れて行ってやろう」

「お、お願いします!」

「走るぞ!」


──はい?


「みんなお前に興味津々だ。捕まるなよ!」

「えええっ? ちょっ、まっ、待ってくださいよバスィーム王子ぃ~!」


全速力。
唐突な、全力疾走。

これは私の体力が試されているのだろうか。
バスィーム王子はまるで風のように、チーターのように、飛空戦の回廊を駆け抜けていった。

仕方なく私も追いかけた。
< 37 / 174 >

この作品をシェア

pagetop