婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?

私は壁の花……?

「もうやだ……消えて無くなりたい……」


何度も呟いたセリフをまた口にして、私は壁に凭れた。

婚約破棄されて意気消沈しているからといって、公爵令嬢として国の行事には参加しなくてはいけない。というのも、お母様は先代王妃様の従兄弟の孫。実は遠からず王家と血が繋がっているのである。

 
「……考えちゃダメ。どうせ私はみそっかす……」


今日は王家主催の食事会に列席していた。

大広間は豪華に飾り付けられ、国内と近隣諸国から招かれた王侯貴族で溢れ返っている。

楽団の奏でる優美な交響曲、そして繰り返し行われるダンス、食べきれないほどの料理にお酒。
 
なんという贅沢の極み。


「……違う」


こういうところがいけないのだ。
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