婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
ひどく場違いな気がして、居た堪れなくてがっくりと俯いた。

食事?  
そんなもの、どんなに美味しくたって喉を通らない。
気分転換に器械体操しまくりで、体は引き締まる一方だ。

でもそんなもの、意味がない。
価値もない。

私なんて、いなくなったって、きっとわからない。
 
壁の花どころか、むしろ壁。


「あっ」

「?」


近くを通りかかった給仕役の少女がバランスを崩した。咄嗟に手を出して支える。持っていたカトラリーが私のドレスで衝撃を和らげて、静かに床に落ちた。


「あ、あ、も、申し訳ございません……ッ!」
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