婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
カウンターまで来ると、厨房の活気が伝わってきた。


「いらっしゃい。ダリヤさん、はじめまして」

「はじめまして」

「厨房専属のルゥルゥです。よろしくお願いします」


可愛い女の子だった。

赤褐色のツインテールも、大きな黄色い瞳も、鈴の鳴るような声も。それに厨房専属と言うだけあって、少しぽっちゃりしている。愛らしい。


「こちらこそ、よろしくお願いします」

「アレルギーはありますか?」

「いえ、ないです」

「チッ」


……あれ?
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