婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
「じゃあ、バディーア触ったんだ……」
「さっ、触ったって言うか……あの、さ、採寸……」
「へえ。よかったですね、ダリヤさん。でも──」
えー、なにッ!?
なんで怒ってるの!?
「バディーアはルゥルゥのだから。バディーアまで盗らないでね。ね? 約束だよ?」
「……は、はい……」
よくわからないけど……私、この子恐い!
「はい♪ ルゥルゥ特製のメイプルラッシーです♪ 初回無料サービスです♪ どうぞ?」
「……どうも」
受け取る手がブルブル震える。
ここで飲めと言われる前に、私はくるりと身を返した。