婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
右、左、後ろも忘れず、そして正面。
青空の下で高く手をあげて、最初の挨拶をきちんと済ませる。

はずみをつけて……

飛ぶ!


「キラキラしてる……」


呟いたのは誰?
ライラ?

捻りを加えた三回転で王子に対抗し、指先からの着水。


「──」


スパシャーンッ!

……決まった。上出来だ。
勢いを使って少し泳ぎ、顔を出した。

水の音だけを聞いていた耳に飛び込んできたのは、拍手と歓声。


「えっ、ダリヤ。お前やるな!」

「ははははは☆彡 お前の勝ちだダリヤ!」

「いやんっ、バンビちゃんったら! マーメイドちゃんだったのねぇっ! にくいっ! でも素敵ッ♪」
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