片翼を君にあげる①
「来年は、みんなで一緒に見ようぜ!」
「!……っ、……え?」
耳を疑う私に、ツバサが言った。
「俺とお前と、ライとレノア。それにお互いの家族と、ノゾミさんとか……来られる人全員で!」
その、嘘偽りのないと感じられる真っさらな言葉が、私の中に生まれていた孤独を優しく包み込む。
「……。みんな、で?」
「おう!昔みたいに、みんっなで!」
みんなでーー。
そう言われた瞬間、何と言うか……。
私は1番欲しかったものを手に入れた気がした。
「なっ?その方が絶対に楽しいからさ!」
「……私も、居るんだ」
「ん?」
「ツバサの未来の中には、私も居るんだね」
立ち直ったら、もう必要ないかと思ってた。
レノアが居れば、ツバサは幸せなんだと思ってた。
でも……。
「何言ってんだよ。当たり前だろっ?
お前がいない未来なんて、考えらんねぇよ!」
そう言われて、気持ちが一気に満たされるのを感じた。
恋が成就した訳ではないのに、まるで告白が成功したかのように嬉しい気持ちが広がる。
ーーああ、そっか。
私は、例え"恋人"じゃなくても、ツバサの傍に居たいんだ。
想いを告げる事が出来なくても、1番になれなくても……。私はツバサと、ずっと一緒に居たい。
ツバサが許してくれる限り、一緒に生きたいーー。
気持ちの整理がついて、ようやく未来に明るい光が見えた気がした。
だから……、……。
「……ね、ツバサ。
可愛い姪っ子の頼み、聞いてくれる?」
「何だよ、改まって……」
「絶対にレノアと幸せになってね!」
私は笑顔で、ツバサを見上げて言った。
花火の音にかき消されないように、大きな声で。
「二人の結婚式では、私が誰よりも大きな拍手をして。誰よりも大きな声で「おめでとう」って言って。誰よりも祝福してあげる!
だから、……その代わり、ブーケは私に頂戴!必ず!」
そう言う私に、ツバサは少し恥ずかしそうに微笑いながらも「ああ、いいよ」って言ってくれた。
私は更に続ける。