片翼を君にあげる①
「それからね、もう一つ!
必ず、白金バッジの夢の配達人になって!」
夢。それは、子供の頃からの夢。
そして今では、私とツバサを繋いでくれる"未来"の一つ。
大事な大事な、宝物。
「私も、頑張る!
どんなに辛い訓練でも乗り越えて、たくさん勉強して、1日でも早く役に立てる調査員になる!
だから、っ……その時は、ツバサ専属の調査員として傍に置いてよね!」
これはきっと、私がツバサに望む事が出来る精一杯。
最高の贅沢で、最高のワガママで、最高の幸せ。
これ以上を望んだりしない。
キスしてほしいとか、愛してほしいなんて一生言わない。
だから、どうか受け止めてーー?
「何だよ、そんなん当たり前じゃん!」
そんな私の祈りに似た願いを、ツバサは笑顔で受け止めてくれる。
不安、なんて一気に消し去られてしまう程に、ハッキリとした口調で。
「てか、それは俺の方からお願いしたい。
ランとライが専属で付いてくれるなんて、最高で最強じゃん!」
私の夢は自分の夢でもある、と言ってくれているかのように、しっかりと、想いを抱き留めてくれた。
ーーもう、充分だ。
私からしたら求婚にも決して劣らない、将来の約束と幸せをもらえた。
それだけで、私は頑張って生きる事が出来る。
「その言葉、忘れちゃダメだからね!
絶対、ぜ〜ったい!約束、だからねっ!」
私はこの恋を……。
ツバサを愛した事を絶対に後悔なんてしない。
神様。
ツバサと出逢わせてくれてありがとう。
彼の成長を見守らせてくれてありがとう。
私を彼の姪っ子にしてくれてありがとう。
私は忘れない。
今までの事も、今日の事も……。
ツバサへの想いをずっと胸に秘めて、未来を生きるよ。