片翼を君にあげる①
(3)ツバサside
「む〜〜!
なんで?なんでっ?なんでよ〜〜?!」
俺達はなんとか食堂終了20分前に食堂前に到着。
が、入り口付近にある本日のランチの食品サンプルを見てランは怒っていた。
「何でAランチにはプリンが付いてるのに、Bランチには付いてないの?!」
「まあ、総合カロリー的にBには必要ないって考えじゃないか?」
「何言ってるの!必要でしょっ?デザートは別腹で必要でしょっ?!」
俺が口を挟むと、デザートに対する想いが余程強いらしく力説された。
どうやらランはBランチのチーズオムライスが食べたいらしいのだが、そちらにはデザートのプリンが付いていなくて不満らしい。
すると痺れを切らしたライが言う。
「じゃあAランチにすればいいじゃん!早く注文しないと食べる時間なくなっちゃうよ〜?」
「それはイヤ!焼き魚に冷や奴なんて、もう少し歳取ってからの食べ物だよ〜!」
「姉さん!それは栄養士さんや食堂のおばさん達に失礼だよ!とりあえず早く決めて!」
「じゃあライがAランチにして、私にプリンだけちょうだいよ!」
「それは無理〜!」
仲が良いんだか悪いんだか。
そんな二人を見て飽きれる反面、何だかそのやり取りに癒されて、さっきまでの悩みが少し晴れてきた気がした。