片翼を君にあげる①

『待ってて。
前夜祭(パーティー)が終わるまで、待ってて……』

"それ"は、声には出されない想いだった。


ーーえっ?まさ、かッ……。

俺は咄嗟に左目に手を触れる。が、眼帯は外れていない。
けど、確かに俺には聞こえた。
レノアの声が、俺には聞こえていたんだ。

……
…………。
< 58 / 215 >

この作品をシェア

pagetop