独占欲に目覚めた次期頭取は契約妻を愛し尽くす~書類上は夫婦ですが、この溺愛は想定外です~
唇はすぐに離れる。しかし、連さんの視線は私を解放してくれない。細められた目に、険しい眉。目尻が赤い。
「我慢している身には少々刺激が強いな」
「申し訳ありません。すぐに着替え……」
答え終わる前に抱き上げられた。ソファに運ばれ、膝の上に載せられる。身体に絡みついた腕が私を拘束する。
「連さん……」
「初子、俺はおまえの夫として不足か?」
肩に連さんの顔が埋まっているので、表情が見えない。だけど、声音は切なくも聞こえた。
「ずっと避けられていると不安になる」
「避けているわけでは……」
「でも、おまえは俺が頭取に決まったら、別れるつもりなんだろう?」
改めて言葉にされ、私はかすかに息を詰めた。そうだ。そのつもりでいる。
「俺は嫌だ。せっかく、こうして会えたのに、夫婦になれたのに、おまえに惹かれているのに……」
惹かれている?
そのひと言で、ずっと早鐘をたたいている心臓がさらに暴れ出した。
連さんが、私に?
「いけません。あなたに相応しい女ではございませんので」
慌てて言う私。連さんががばっと顔をあげ、両肩を掴み、顔を覗き込んでくる。
「我慢している身には少々刺激が強いな」
「申し訳ありません。すぐに着替え……」
答え終わる前に抱き上げられた。ソファに運ばれ、膝の上に載せられる。身体に絡みついた腕が私を拘束する。
「連さん……」
「初子、俺はおまえの夫として不足か?」
肩に連さんの顔が埋まっているので、表情が見えない。だけど、声音は切なくも聞こえた。
「ずっと避けられていると不安になる」
「避けているわけでは……」
「でも、おまえは俺が頭取に決まったら、別れるつもりなんだろう?」
改めて言葉にされ、私はかすかに息を詰めた。そうだ。そのつもりでいる。
「俺は嫌だ。せっかく、こうして会えたのに、夫婦になれたのに、おまえに惹かれているのに……」
惹かれている?
そのひと言で、ずっと早鐘をたたいている心臓がさらに暴れ出した。
連さんが、私に?
「いけません。あなたに相応しい女ではございませんので」
慌てて言う私。連さんががばっと顔をあげ、両肩を掴み、顔を覗き込んでくる。