独占欲に目覚めた次期頭取は契約妻を愛し尽くす~書類上は夫婦ですが、この溺愛は想定外です~
挙式披露宴が終わり、私と連さんは親族控室で新郎新婦に挨拶をして引き上げることとなった。撫子さんと恭さんは明後日からハネムーンだそうだ。
「初子、こっちだ」
連さんに呼ばれ、バンケットルームのある三階から一階に降りると、なぜか高層階用のエレベーターの前。
「ついておいで」
言われるがままに金属製のドアを抜け付き従う。私と連さん以外は乗っていないエレベーターは28階に到着した。このフロアは? ふかふかの絨毯を進んだ先にはあきらかに一般の客室とは違う佇まいのドア。やはりと思う。プレジデンシャルスイートだ。
「連さん」
「今日はここに泊まるぞ」
そう言って彼がカードキーでドアを開ける。
一歩室内に入り、私は息を呑んだ。部屋は赤い薔薇の花で埋め尽くされていた。そこかしこに活けられた花束。いったい何百本あるのだろう?いや、何千本のレベルだ。むせかえるような薔薇の香りがする。
連さんが用意してあったであろう格別大きな薔薇の花束を私に差し出した。
「初子」
ひざまずき、綺麗な瞳で私を射貫く。
「あらためて俺とずっと一緒にいてください」
そのときの私の気持ちを説明するのは難しかった。
連さんの希望と愛情に満ちた瞳。少し照れたような笑顔。
愛しいと思いながら、私は言葉に詰まり凍りついてしまった。
「初子、こっちだ」
連さんに呼ばれ、バンケットルームのある三階から一階に降りると、なぜか高層階用のエレベーターの前。
「ついておいで」
言われるがままに金属製のドアを抜け付き従う。私と連さん以外は乗っていないエレベーターは28階に到着した。このフロアは? ふかふかの絨毯を進んだ先にはあきらかに一般の客室とは違う佇まいのドア。やはりと思う。プレジデンシャルスイートだ。
「連さん」
「今日はここに泊まるぞ」
そう言って彼がカードキーでドアを開ける。
一歩室内に入り、私は息を呑んだ。部屋は赤い薔薇の花で埋め尽くされていた。そこかしこに活けられた花束。いったい何百本あるのだろう?いや、何千本のレベルだ。むせかえるような薔薇の香りがする。
連さんが用意してあったであろう格別大きな薔薇の花束を私に差し出した。
「初子」
ひざまずき、綺麗な瞳で私を射貫く。
「あらためて俺とずっと一緒にいてください」
そのときの私の気持ちを説明するのは難しかった。
連さんの希望と愛情に満ちた瞳。少し照れたような笑顔。
愛しいと思いながら、私は言葉に詰まり凍りついてしまった。