独占欲に目覚めた次期頭取は契約妻を愛し尽くす~書類上は夫婦ですが、この溺愛は想定外です~
「あなたを好きになってしまいました。だから……」
言葉は最後まで言えなかった。連さんが私を抱き寄せたのだ。豪勢な薔薇の花束が絨毯に落ち、赤い花弁が舞う。
「いつか捨てられるとつらいから、俺と深い仲になりたくない、と。それは安く見積もられたものだな」
連さんが私の肩口でおかしそうに笑う。失礼なことを言っていると自覚はあるが、私も止められない。涙が頬をつたう。
「あなたが今までお付き合いしてきた女性たちとは違います。今は物珍しさもあるでしょうが、いずれ目が覚めます」
「なるほど、関心を引けなくなる未来しか初子には見えていないのか」
連さんがささやき、次の瞬間私の顎をとらえ、深く口づけてきた。
それは、今まで何度かした軽いキスじゃない。唇と唇を深く重ね合わせ、内の粘膜を犯し合うキスだ。唇を押し開け、熱い舌が入ってくる。小さく呻く私を、逃がすまいと抱き締め、連さんは甘く私を征服した。歯列を舐め上げられ、知らない感触に震えるけれど、けして嫌ではない。どころか、熱い彼の一部が内側から私をとかす。強引ではないのに、絶対的に抗えない。
「違う未来を見せる」
唇を離して連さんがささやいた。
私はたった今まで重なっていた彼の形のいい唇を見つめ、どくどくと鳴り響く鼓動に全身を支配され、逃げることも忘れていた。
言葉は最後まで言えなかった。連さんが私を抱き寄せたのだ。豪勢な薔薇の花束が絨毯に落ち、赤い花弁が舞う。
「いつか捨てられるとつらいから、俺と深い仲になりたくない、と。それは安く見積もられたものだな」
連さんが私の肩口でおかしそうに笑う。失礼なことを言っていると自覚はあるが、私も止められない。涙が頬をつたう。
「あなたが今までお付き合いしてきた女性たちとは違います。今は物珍しさもあるでしょうが、いずれ目が覚めます」
「なるほど、関心を引けなくなる未来しか初子には見えていないのか」
連さんがささやき、次の瞬間私の顎をとらえ、深く口づけてきた。
それは、今まで何度かした軽いキスじゃない。唇と唇を深く重ね合わせ、内の粘膜を犯し合うキスだ。唇を押し開け、熱い舌が入ってくる。小さく呻く私を、逃がすまいと抱き締め、連さんは甘く私を征服した。歯列を舐め上げられ、知らない感触に震えるけれど、けして嫌ではない。どころか、熱い彼の一部が内側から私をとかす。強引ではないのに、絶対的に抗えない。
「違う未来を見せる」
唇を離して連さんがささやいた。
私はたった今まで重なっていた彼の形のいい唇を見つめ、どくどくと鳴り響く鼓動に全身を支配され、逃げることも忘れていた。