独占欲に目覚めた次期頭取は契約妻を愛し尽くす~書類上は夫婦ですが、この溺愛は想定外です~
身体を起こし、背筋をすっと伸ばし、優雅な仕草でカップを口元に運ぶ連さん。本当に私とは何もかもが違うように感じる。
たとえば、この人が退屈を紛らわせるのに女性が必要だとして、私はとうていその立場にはなり得ない。あまりに世界が違い過ぎる。
「まあ、キスやハグは置いておくとしても、初子が俺のプレゼントした服と靴で一緒に食事に出かけてくれたりしたら、嬉しいよ」
「連さんとお付き合いのあった上流のご婦人たちのようには振舞えません。連れて歩くには、見苦しいでしょうし、ご容赦いただけますと……」
「他の女性の代わりにしたいわけじゃない。まあ、そう聞こえるかもしれないが。俺としては、妻と仲良くなりたいと思っているんだ。初子が許してくれるなら、徐々に関係を深めていきたいものだな」
天真爛漫、屈託なく……そんな言葉が浮かぶ。
この人が望むなら、そういった関係になった方がいいのだろうか。一度、二度、彼が納得するまで、お付き合いすべきなのだろうか。
契約……厳密に書面でかわしている部分ではないけれど、性交渉については断ってもいいと撫子さんは言っていた。跡継ぎを産むことは条件に入っていない。
しかし、それはおそらく、彼が他の女性との関係を続けていて、私が生理的に複数の女性と付き合う男性が無理!となった場合であって……。
こうして、『奥さんだけいればいい』宣言をきっぱりされてしまうと話が変わってくるような気がする。
たとえば、この人が退屈を紛らわせるのに女性が必要だとして、私はとうていその立場にはなり得ない。あまりに世界が違い過ぎる。
「まあ、キスやハグは置いておくとしても、初子が俺のプレゼントした服と靴で一緒に食事に出かけてくれたりしたら、嬉しいよ」
「連さんとお付き合いのあった上流のご婦人たちのようには振舞えません。連れて歩くには、見苦しいでしょうし、ご容赦いただけますと……」
「他の女性の代わりにしたいわけじゃない。まあ、そう聞こえるかもしれないが。俺としては、妻と仲良くなりたいと思っているんだ。初子が許してくれるなら、徐々に関係を深めていきたいものだな」
天真爛漫、屈託なく……そんな言葉が浮かぶ。
この人が望むなら、そういった関係になった方がいいのだろうか。一度、二度、彼が納得するまで、お付き合いすべきなのだろうか。
契約……厳密に書面でかわしている部分ではないけれど、性交渉については断ってもいいと撫子さんは言っていた。跡継ぎを産むことは条件に入っていない。
しかし、それはおそらく、彼が他の女性との関係を続けていて、私が生理的に複数の女性と付き合う男性が無理!となった場合であって……。
こうして、『奥さんだけいればいい』宣言をきっぱりされてしまうと話が変わってくるような気がする。