office 60♡
異動
「異動…ですか?」
「うん、もう決まった事なんだけどね、柊(ひいらぎ)さん、優秀だし引き抜きたいって声があったみたいだよ」
ここは東京の調布に立つ5階建てビルの一室。
グレーの背広に、毛糸で編まれた赤のネクタイをつけた鈴木課長に呼び出された所である。
「えっと…いつから異動ですか?」
「それは人事異動だから4月からかな」
相槌を打ちながらオフィス机とパイプ椅子に腰掛ける課長は、どことなく余裕そうな顔をしている。
4月…今が1月だからあと3ヶ月後か…
引越しの準備か必要かも…??
それよりまず、場所がどこか聞きたいな。
「そうですか、ちなみに場所はどこでしょうか?」
「うん、なんと!丸の内のマルノハルカス」
「マ、マルノハルカス!?!?」
あまりにも淡々と告げられすぎて驚きが隠せない。
マルノハルカスって今東京で1番高層のビルで、この5階建てのビルよりもずっと高くて…それから…
「オシャレな所ですよね…?」
東京の1番を競うビジネスマンやビジネスウーマンが溢れる競走世界のど真ん中。
「うん、もう決まった事なんだけどね、柊(ひいらぎ)さん、優秀だし引き抜きたいって声があったみたいだよ」
ここは東京の調布に立つ5階建てビルの一室。
グレーの背広に、毛糸で編まれた赤のネクタイをつけた鈴木課長に呼び出された所である。
「えっと…いつから異動ですか?」
「それは人事異動だから4月からかな」
相槌を打ちながらオフィス机とパイプ椅子に腰掛ける課長は、どことなく余裕そうな顔をしている。
4月…今が1月だからあと3ヶ月後か…
引越しの準備か必要かも…??
それよりまず、場所がどこか聞きたいな。
「そうですか、ちなみに場所はどこでしょうか?」
「うん、なんと!丸の内のマルノハルカス」
「マ、マルノハルカス!?!?」
あまりにも淡々と告げられすぎて驚きが隠せない。
マルノハルカスって今東京で1番高層のビルで、この5階建てのビルよりもずっと高くて…それから…
「オシャレな所ですよね…?」
東京の1番を競うビジネスマンやビジネスウーマンが溢れる競走世界のど真ん中。