『義賊の女王』-世界を救う聖女となる-
湿度の多さに具合が悪くなりそうだった。
中に入ってみると、高温多湿の最悪な空間が待っていた。
「なにこれ……」
私はこの環境に似ている場所を知っている。
サウナだ、じっとりと汗ばむ感じに肌に当たる岩に熱がこもっていた。
しかし、サウナほど高温でもなくなんとか我慢できる程度なのが幸いだが、これは正直長時間いるのは辛い。
「レ、レイナ様……」
後ろから声をかけられる。
振り向くと、具合が悪そうに兵が一人膝をついていた。
「どうかしたの? 大丈夫?」
話を聞いてみると、この空間にあてられ具合が悪くなってしまったそうだ。
クラクラと視界がまわっており、正直戦闘の足手まといでしかない。
「誰か外に出してあげて、お願い」
一人が肩を抱えて外に向かって行く、早くも二人も離脱してしまう。
よく見てみると、他の人たちも若干ではあるが顔色が良くない、私は平気だけどもかなりキツイ場所なのかもしれない。
『レイナってここ平気なの?』
(えぇ、特に問題ないわね、ちょっとべっとりするのが不快なだけかしら)
『ウソ……ここ、かなり異質よ。正直私だったら我慢できないかも、今は体がないから大丈夫だけどあなたから伝わってくる感覚はかなり嫌よ』
なるほど、ソマリはどうやら私を通して色々と感じ取れるようだが、正直そこまで苦しくないのは以前の世界の経験があるからだろうか?
温泉とか好きでよく通っていたし、サウナも好きな感じだったし、スチームサウナとかずっと入っていたいぐらいだった。
「みんな、もう少しだから頑張って」
このイフリートが発しいるかもしれない熱量と、泉の水が蒸発しこうした空間を作り上げているのかもしれない。
そうなれば、ここは魔法や罠が無くとも結界の役割をしている。
『とにかく、私たちの世界ではこの空間はかなり厳しい環境なの、それはきっと魔人も同じよ』
それはありがたい、所々に薄っすらと光る苔のようなものが自生しており、それらがあるおかげでゴツゴツとした道も問題なくあるけた。
この場所では灯りを常に維持するのは不可能だし、こうやって発光体を前もって用意してくれたのだろうか? その仕組みはわからないが、相手にも気づかれにくいし、進むのも楽だ。
そして、その発光苔のような植物が踏み荒らされはじめ、敵が近くにいると報せてくれる。
「いくわよ」
小声で合図を送るも、全員が疲れ始めていた。
これは、無理できないかもしれない……でも、ソマリが言っていたように相手にもこの空間はきっとキツイだろう。
それに、洞窟は予想以外に狭く、大きな魔人にとっては身動きがかなり制限される。
「静かにね」
ゆっくりと進んでいくと湿気の中に獣臭に似た匂いが混ざりだし、しだいに濃さを増していった。
足元の苔で滑らないように気をつけながら進んでいくと、奥から蠢く存在の気配をとらえる。
『数は……かなり少ないわね、二体ほど? 少なすぎない?」
「それに、なにこれ? 焦げ臭い」
一歩進むと後ろからついてきた兵が止まってしまった。
ジャリっと異質な音の正体を確かめるべく、薄暗い空間で目をこらしてみるとそこには、炭状になった魔人が横たわっている。
「ヒッ‼」
それを見た兵が思わず声を発してしまった。
狭い洞窟の中では、よく響き奥から魔人たちがこちらを目指してやってきた。
「しょうがない! やるわよ!」
でも、なんであんなになるまで焼かれたの?
「グルルルル……」
あれこれ考えていてもしょうがない、今は目の前の敵を倒すことに専念しなければならない‼
中に入ってみると、高温多湿の最悪な空間が待っていた。
「なにこれ……」
私はこの環境に似ている場所を知っている。
サウナだ、じっとりと汗ばむ感じに肌に当たる岩に熱がこもっていた。
しかし、サウナほど高温でもなくなんとか我慢できる程度なのが幸いだが、これは正直長時間いるのは辛い。
「レ、レイナ様……」
後ろから声をかけられる。
振り向くと、具合が悪そうに兵が一人膝をついていた。
「どうかしたの? 大丈夫?」
話を聞いてみると、この空間にあてられ具合が悪くなってしまったそうだ。
クラクラと視界がまわっており、正直戦闘の足手まといでしかない。
「誰か外に出してあげて、お願い」
一人が肩を抱えて外に向かって行く、早くも二人も離脱してしまう。
よく見てみると、他の人たちも若干ではあるが顔色が良くない、私は平気だけどもかなりキツイ場所なのかもしれない。
『レイナってここ平気なの?』
(えぇ、特に問題ないわね、ちょっとべっとりするのが不快なだけかしら)
『ウソ……ここ、かなり異質よ。正直私だったら我慢できないかも、今は体がないから大丈夫だけどあなたから伝わってくる感覚はかなり嫌よ』
なるほど、ソマリはどうやら私を通して色々と感じ取れるようだが、正直そこまで苦しくないのは以前の世界の経験があるからだろうか?
温泉とか好きでよく通っていたし、サウナも好きな感じだったし、スチームサウナとかずっと入っていたいぐらいだった。
「みんな、もう少しだから頑張って」
このイフリートが発しいるかもしれない熱量と、泉の水が蒸発しこうした空間を作り上げているのかもしれない。
そうなれば、ここは魔法や罠が無くとも結界の役割をしている。
『とにかく、私たちの世界ではこの空間はかなり厳しい環境なの、それはきっと魔人も同じよ』
それはありがたい、所々に薄っすらと光る苔のようなものが自生しており、それらがあるおかげでゴツゴツとした道も問題なくあるけた。
この場所では灯りを常に維持するのは不可能だし、こうやって発光体を前もって用意してくれたのだろうか? その仕組みはわからないが、相手にも気づかれにくいし、進むのも楽だ。
そして、その発光苔のような植物が踏み荒らされはじめ、敵が近くにいると報せてくれる。
「いくわよ」
小声で合図を送るも、全員が疲れ始めていた。
これは、無理できないかもしれない……でも、ソマリが言っていたように相手にもこの空間はきっとキツイだろう。
それに、洞窟は予想以外に狭く、大きな魔人にとっては身動きがかなり制限される。
「静かにね」
ゆっくりと進んでいくと湿気の中に獣臭に似た匂いが混ざりだし、しだいに濃さを増していった。
足元の苔で滑らないように気をつけながら進んでいくと、奥から蠢く存在の気配をとらえる。
『数は……かなり少ないわね、二体ほど? 少なすぎない?」
「それに、なにこれ? 焦げ臭い」
一歩進むと後ろからついてきた兵が止まってしまった。
ジャリっと異質な音の正体を確かめるべく、薄暗い空間で目をこらしてみるとそこには、炭状になった魔人が横たわっている。
「ヒッ‼」
それを見た兵が思わず声を発してしまった。
狭い洞窟の中では、よく響き奥から魔人たちがこちらを目指してやってきた。
「しょうがない! やるわよ!」
でも、なんであんなになるまで焼かれたの?
「グルルルル……」
あれこれ考えていてもしょうがない、今は目の前の敵を倒すことに専念しなければならない‼