俺様な幼なじみは24年前の約束を忘れない
隣家の双子
*◇*◇*
隣家の双子に初めて会った時のことは、断片的に覚えている。これが俺の最初の記憶だ。
長く静かな病院の廊下、暖かな陽射しが降り注ぐ病室、由紀子ちゃんのにこやかな笑顔…。
何よりも、鮮明に覚えているのは、柔かな莉子の頬、俺の指をギュッと握る小さな握りこぶしだ。
二つある小さなベッドの一つ、莉子が寝ている方のベッドに引き寄せられたのは、運命的なものだったのだろうか。
あの時、莉子がほしいと切望した三歳の俺は、何かに囚われたようだった。
それから24年間、同じ気持ちを抱き続けるなんて、あの時あの場にいた誰が想像しただろう。