俺様な幼なじみは24年前の約束を忘れない
パーティです

準備は念入りに


*◇*◇*


ついに柳田総合病院創立50周年記念パーティの日がきた。

パーティは5時からだが、支度は昼過ぎから始まる。

髪のセットは香子の仕事の付き合いのあるところに頼み、メイクも香子の同僚の人がしてくれる。

香子はその同僚の人とランチをしてから行くと言うので、美容室で落ち合うことになっていた。

母は朝からそわそわしていて、私たちよりも緊張していた。
父は相変わらずオロオロしている。

早めの昼ごはんを食べていると、母が私の前に腰を下ろし、ポツポツと話し始めた。

「まさか、香子が晃ちゃんと結婚することになるなんて、思いも寄らなかった。
柳田家の皆さんは、本当にいい人で、香子を嫁がせるのに迷いはないけれど、やっぱり家柄を気にする人はいるから…。
香子は大丈夫なのかしら。」

いつも明るく前向きな母にしては珍しく弱気なことを言う。

「大丈夫だよ。晃ちゃんは絶対に香子を幸せにしてくれる。
今日の婚約パーティだって、私がしっかりついてるから。
香子がお嫁さんに行っても、私たちは家族のままだよ。
ずっと一緒に香子を見守っていこうよ。」
笑顔でそう言うと、母は微かに頷いて笑った。

そばで聞いていた父は既に涙目だ。
お父さん、結婚式大丈夫なのかな。

「そうよね。お隣なんだもの。
いつでも会えるし、今までだって家族みたいなものだったんだし…。
今日は香子のことよろしくね。」
母はスッキリとした顔で言った。

思いがけない母の胸の内を聞いてしまい、改めて気合いが入る。

この前絡んできた女医さんのような人が今日のパーティにもいるかもしれない。
絶対香子を守りぬく!
さぁ、出陣だ!

私は美容室に行く人とは思えない意気込みで出かけていった。


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