俺様な幼なじみは24年前の約束を忘れない
「ついでに私からも話をさせてくれるかい?」
「実は、この前のパーティで莉子ちゃんを見た人たちから、縁談がいくつか申し込まれているんだ。
莉子ちゃんはとても綺麗だからね。見初められても当然なんだけど。」
私はびっくりして、声も出ない。
「どうかな?お見合いしてみるっていうのは。今の話を聞くと、結婚するのもいいんじゃないかと思うけど。
お友達と新しいことを始めるなら、給料はあまり望めない。その点、結婚すると経済面では安定する。
子ども向けの図書館なら、閉館時間は早そうだし、家庭を安定させて、好きな仕事をする。
そんな人生もまた素敵だと思うけれど。」
「わっ私、結婚なんて考えたこともなくて…」
「そうだろうね。」
院長先生は優しく笑う。
「別に急ぐ話でもないし、ゆっくり考えてごらん。僕は莉子ちゃんのやりたいことを応援しているから。」
院長先生は私の頭を優しくぽんぽんと撫でた。
それから、リビングに移動し、みんなで夕食を頂く。
美味しいお料理と恵理子さんの楽しいお話。
素敵な時間だったけれど、頭は混乱したままだった。