俺様な幼なじみは24年前の約束を忘れない
休まらない休日
*◇*◇*
広くもない家の中をバタバタと走る音が聞こえる。
「莉子!莉子!」
バタンとドアを開ける音で、意識が浮上した。
「お願い!莉子 起きて!」
ぬぼーっと半身を持ち上げ、声の主を見る。
「着けて行こうと思ってたネックレスが絡まってたの。お願い!直して!」
そう言うと、私の手を持ち上げ、強引にネックレスを手渡したかと思うと、双子の妹の香子は慌てて部屋から飛び出して行った。
しばらく ぬぼーっとしていたが、時計代わりのスマホを確認する。
「8時25分…」
決して早すぎる時間ではないけれど、今日は日曜日。
10時くらいまでは惰眠を貪る予定だったのに…。
片岡 莉子(かたおか りこ)。24歳。
休日は、睡眠と読書だけが楽しみなのだが、早くも一つ目の楽しみは中断された。
はーっと溜め息をつくと、しぶしぶベッドから降りた。