俺様な幼なじみは24年前の約束を忘れない
募る想い
*◇*◇*
近づいてくる姿に思わず瞠目する。
緩やかに結われた黒髪、綺麗に施された化粧。
身に纏っているのは清楚で派手さのないワンピースだが、姿勢の良い凛とした姿は誰の目にも美しく映るだろう。
そんなに着飾って誰に見せるつもりなんだ。
イライラして、チッと舌打ちする。
そんな俺を見て、戸惑う莉子に、またイラッとする。
昔、兄貴を慕う無邪気な莉子に嫉妬して、不機嫌に当たり散らした俺を思い出したのだろうか。
そそくさと逃げるように立ち去る様子に、胸がチリッと痛む。