恋を叶える魔法の呪文
二人でいつもそんな話をしている時、夏津樹は想いを募らせながら思っていた。この恋を実らせる魔法が本当にあればいいのに、と……。

この世界には、ハリー・ポッターに登場するような惚れ薬なんてものはないし、そもそも魔法すらない。恋のおまじないはあっても、そんなものに頼って恋が実る保証はどこにもない。

ズルズルと好きという気持ちを引きずったまま、夏津樹は今日も愛梨と話す。友達という関係のまま……。

ジュラシック・パークを楽しんだ夏津樹たちのグループは、「楽しかったなぁ〜」と言いながら次のアトラクションへと向かう。次に向かうのは、スパイダーマンやターミネーターが楽しめるニューヨーク・エリアだ。

その後も、バックドラフトやジョーズなどを楽しみ、お昼ご飯を買って食べる。時間はあっという間だ。

「これからどこに行くんだ?」

夏津樹は友達に訊ねる。すると、夏津樹と愛梨以外の全員は一瞬顔を見合わせた後、ニコニコしながら口を開く。

「お前らさ、クラスでハリー・ポッターの話ばっかしてるし、二人でハリー・ポッターのところ行って来いよ」
< 5 / 9 >

この作品をシェア

pagetop