恋を叶える魔法の呪文
杖が売られている場所には、映画で見たようにたくさんの杖が箱に入れられて売られていた。夏津樹はハリーの持っている杖を、愛梨はハーマイオニーが持っている杖を選ぶ。

「こちらの杖は、アメリカにあるユニバーサルスタジオでも使えるんですよ」

店員さんの言葉に驚きつつ、杖を買った後、二人はホグズミードを歩き始める。

「せっかくだし、アトラクションにも乗りたいよね」

夏津樹はそう愛梨に笑う。ハリー・ポッターのアトラクションも面白そうなものばかりだ。全部乗りたいが、残念ながら無理だろう。

「……夏津樹、その前に言わなきゃいけないことがあるの!」

愛梨が不意に立ち止まり、夏津樹の手を掴んだ。愛梨の顔は真っ赤に染まっていて、夏津樹はもしかしてと期待してしまう。

「ずっと言いたかったんだけど、なかなか言えなくて……。ハリー・ポッターみたいに魔法があったらなって心から思った」

夏津樹は恥ずかしそうに震える愛梨を見て、確信する。同じ気持ちなんだと言うことを。それが嬉しくてたまらない。
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