トンネルの向こう側
4人が食べ終わり、私服姿の将大がテーブルにきた。
「恭一さん、みなさんすみません。」
「あのさ〜、ヒロ、俺たちの前の仕事も、
さやかちゃんの友達にも話しをしていいか?」
「はい。大丈夫です。」
「まず、ヒロは調理学校の1年の始め頃、ココでバイトしてたんだ。
ヒロのご両親は食堂を経営してたけど、借金が膨らむからという理由で店をたたんだ。
その借金を早く返済する為に、俺が経営していたホストクラブで働きながら自分の生活費、学費、親への仕送りもして、
調理学校も卒業し調理師免許も取得した。
借金の残金も返済できる額も貯金して完済した。
そして将来家族で住むマンションも中古で購入したんだ。
凄く苦労して、努力して水商売から足を洗ってこのキッチン岡部の店長をしているんだよ。」
「え、友貴の話… 違うよ〜…」
「じゃあ、今はお2人とも一般人という事ですか」
「そう。 去年の年末に引退した。
俺も店を後輩に売ったし不動産やる目標があったしね!
さやかちゃんは、そのトモキから何て聞いたの?」