トンネルの向こう側
カランカラン♪
お店に入ると、今日は土曜日なので、
テーブル席は満席で、カウンターは空いていた。
岡部さんとお母さんが
「「いらっしゃいませ!」」と声を掛けてくれてお母さんの案内でカウンター席へ。
隅の方にスーツケースを置き、カウンターに座る。
恵が、小声で
「岡部さんから聞いたわ…。良かった無事で。
コーヒーにする? カフェ・オ・レにする?」
さやかは頷き
「カフェ・オ・レでお願いします。」
「ハイ! 少々お待ちくださいませ。」
岡部さんは将大に伝えてくれたようで、厨房から顔を出した。
私がニコと笑いかけネックレスに手をかけると、
将大もニコと微笑み頷いて、厨房に戻った。
「お待たせしました。カフェ・オ・レです。
もう少し待っててね! さやかちゃん。」
「はい。いただきます。」