トンネルの向こう側
何組かのお客様のレジを済ませたお母さん。

テーブルをバッシングしてキビキビと動いている。

岡部さんもカウンターの私の席に来て小声で話し掛けてきた。

「さやかちゃん、大丈夫だったか?
恭一から電話がきた時はヒヤヒヤしたよ。」

「本当にいつもご心配をおかけして、
すみません…。
恭一さんにも助けてもらってばかりで…」

「たぶん、ココは知られてないから大丈夫だよ。
カフェオ・レ飲んで、ゆっくりして。
マンションまでは恵さんと一緒だし安心だな。」

恵が仕事を終えて、カウンターへ来た。

「さやかちゃん、お待たせ〜 行こうか。」

「はい。カフェ・オ・レのお金ココに置きます。」

「将大が払うから、大丈夫よ!」
代金をさやかのコートのポケットに入れた。

「でも…」

「さ、行こ! 彼女の分くらい払うのは当然よ!
それより、一緒にお夕飯作ろうね!ふふふ。」

恵と2人で将大のマンションへ来た。
さやかも恵もキョロキョロして確認する。

大丈夫そうだった。

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