トンネルの向こう側

高速道路の途中サービスエリアで何度か休憩しながら実家へ向かう。

さやかの実家は高校のわりと近くだ。
思ったより早く着くので、2人は久しぶりに高校へ行く事にした。

フェンス越しに、野球部とサッカー部の練習を見ていた。

グランドの方から、野球部のユニフォーム姿の先生らしき人が来た。

先生らしき人が声を掛けてきた。
「もしかして…さやかちゃん？」

「へ？　あの〜」

「俺！野球部だった、西尾！　覚えてない？
1年の時、同じクラスだったんだけどさ！」

「西尾くん？　あ〜！　野球部の！何でユニフォームなの？」

「俺さ！今、母校の社会科の先生やってるんだ！
アレ？　お前はバスケ部の河田？　懐かしいな！
うん？　何で2人でいるの？」

「たまたま　休みが一緒だったから、
高校を見てみようってなって見てたんだわ」

「西尾くん！　ゴメンね。もう行かなくちゃ！
西尾先生！　頑張ってね！　後輩たちをよろしくね！」

「お〜！　任せとけ！　じゃあね〜
さやかちゃん！　河田もまたな！」

「おお！　頑張れよ！西尾！」

手を振ってから車に乗り込み、実家へ。