トンネルの向こう側
「将大… 友貴や友貴の家族とか…私が意識不明の時の話しを聞かせて欲しいの…」

「うん… さやか、いろいろとビックリすると思うけど…
さやかには知る権利があると思うから……

さやかが刺されて、逃げた友貴を警察が捜査し始めたんだ。
さやかの部屋もしばらく入室禁止だったし。

岡部さんが依頼してくれた弁護士さんからも逐一連絡が入ってきてわかった事は、
ホラ、荒木さんと山本さんが参加した友貴との居酒屋で会った日があるだろ?」

「うん。私も友貴と2人で会わないって言ったあの飲み会だよね〜。
でもさ〜
友貴は私と恭一さんが付き合ってると思ったと思うんだけど…」

「それがさ、警察が調べたら友貴はその日、自宅マンションに戻ってないのが友貴のマンションの防犯カメラでわかったんだ。
友貴はあの日
さやかのマンションの最寄り駅のビジネスホテルに終電もない時間にチェックインしてたんだよ。 

その後の捜査で翌日の午前中にコンビニの前をさやかのマンションの方へ歩いている姿が防犯カメラに映ってて、
昼過ぎには駅の方へ歩いている姿もあったらしい。」

「じゃあ、私と将大が引っ越し業者さんとの打ち合わせで部屋にいるのを知ったって事?」

「たぶん… 誰の情報かはわからないが、さやかの引っ越しがあの日あるのを知ってたんだと思う。」

「でも… 当日は引っ越しだって早く終わったじゃあない? どうやって入ったの?」

「警察の人が住人の目撃情報だと、引っ越し業者の搬出でオートロック解除してただろ?
その時にゴミを捨ててオートロック解除して開いている入口から友貴らしき人物が エレベーターじゃあなく階段で上がって行くのを見た人がいたんだ。」

「じゃあ、友貴は計画的だったんだ…」
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