トンネルの向こう側
「そうそう! 何かね!ホールも満席でね!
そのコックさんの声が大きくて、お客様全員がコッチを見てるし〜
将大さんは は? って呆れてたし、
岡部さんはカウンターでクスクス笑ってたよ」
「あ〜! 木村 崇〈きむら たかし〉くんだわ!
12月から入ったコックさんでね、将大の調理学校の同級生よ!」
「将大さんの同級生ってことは、有紗ちゃんと同じ歳よね〜」
「恵お母さん。木村さんはどんな人なんですか?」
「将大も詳しく教えてくれないから良くわからないんだけど…
卒業後は海外にいたとか何とか言ってたよ。」
「その木村さんは、すごい人だったりして〜」
「尚美ちゃん、有紗ちゃん、おばさんからの忠告よ!
顔じゃあなく心よ! 真面目で堅実さと誠実さよ!
結婚となれば、その相手に自分の人生を委ねる事でしょう?
2人で苦労しても乗り越えていけだけの男かどうかよ!頑張って〜」
「私も、真面目で頑張る人が良いと思うわ!」
「あんなに、直球でこられるのが初めてだから戸惑ってます。」
「まず、ココの女子会メンバーに認めてもらえる男なら付き合っても良いかもよ?」
「そうだね! このメンバーなら正しい判断がされそうだし! ハハハ!」