トンネルの向こう側

結婚3年目の 春***


将大は、夢だった カフェを今日オープンする。

結婚し、長男 将太〈しょうた〉が産まれた。

名前は将大が、岡部 昭太さんと漢字は違うが同じ名前にしたいと、岡部さんにも了承をもらい。名付けた。

将太はみんなから可愛がられ、将大も可愛いくてたまらない様子だ。

言葉を少しずつ話すようになり、
私を「マンマ」と呼ぶようになると、将太に「パパは? 将太〜パパ。 パパって言ってごらん!」と、何度も教えている将大の姿に、私と恵お母さんはクスクス笑いながら眺めていた。

将大は、将太が産まれてから変わった…
何といっていいかわからないが…

私は、思い切って将大に質問すると…
「うん? オレが変わった? 
さやかにはバレバレだなぁ。
友貴のことだよ。 

オレは家族が増えて、本当に幸せなんだ。
将太にオレが、友貴を憎み続けてる父親だと思われるのは嫌だなぁって…
意地を張ってただけだったのかなぁって…

さやか、ありがとう。
オレさ、やっと許せるようになったよ…」

将大とさやかはお互い抱き合って涙を流した。

< 254 / 257 >

この作品をシェア

pagetop