トンネルの向こう側


オレはがホストをしている事は、借金返済の時に両親に話しをしていた。

「母さん、ちょっと引っ越しの事で話したいんだけどさ〜」

「うん。母さんどうしたら良いんだろう?
今から不動産屋さんでアパートでも借りないとダメだよね〜…… ハァ〜」

「母さん、実はさ… 母さんと父さんに言ってなかったんだけど、そのうち一緒に暮らしたいと思って中古だけどマンション買ったんだわ。

この際、ココを離れることになるけどオレと一緒に暮らさないか?」

「え! マンション!将大、そんな大金…
借金だって残金一括だったし…

将大!あんたまさか! ホストやってヤクザとかと繋がりでもあるんじゃあないでしょうねえ!」

「ハハハハ! 無いよ!そんなの〜
ホストクラブのオーナーの恭弥さんが株の事や財テクを、いろいろ教えてくれてさ〜
前にも話したけど、
洋食屋のオーナーの岡部さんにもアドバイスしてもらって買ったんだわ!」

「本当? 母さんが田舎者だと思って騙してるんじゃあない?」

「母さん、家族は騙せる訳ないだろ!」

「本当に、汚れたお金で買ったんじゃあないんだね! 本当だね!」

「本当だよ。 たまたま買ってた株の2銘柄が急上昇してさ、凄い儲けた時があったのを元手にして、コツコツ頑張ったんだからな!」

「わかった。信じるわよ…
じゃあ将大は、マンションに住んでるの?
あのぼろアパート引き払って…」

「あぁ、」

「そうだったのね。学生なのに生活費も自分で稼いで、その上私達にも5万も仕送りしてたのに… …ゔ…」

「泣くなよ〜 そう、オレは岡部さんと、恭弥さんのおかげで今があるし、
オレはオーナーシェフになって自分のカフェをオープンする夢を応援してくれてるんだ!
だから、引っ越ししたら母さんにも岡部さんと恭弥さんに会って欲しいんだよ。」

「うん! わかったよ〜……」
恵はしばらく涙を流しながら、父さんの遺影に手を合わせていた。

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