トンネルの向こう側
都会のオレのマンションは、キッチン岡部のすぐ近くだ。

キッチン岡部は、オフィス街の裏通りにある。

平日の昼は、サラリーマンやOLさんがランチを食べに来る洋食屋さんだ。

まずは、母さんをオレのマンションへ連れてきた。
セキュリティがしっかりしたマンションで、2人でエレベーターに乗り込む。

「ちょっと! 将大!
こんな都会のど真ん中のマンションなの?
なんか、入口が厳重なんだね。
都会は田舎と違って物騒だから気をつけなきゃ!」

「ハハハ! そうだな〜
母さんは特に気をつけた方が良いかもな!」

「もう! お母さんを馬鹿にして〜」

10階に到着し、部屋の玄関へ向かう将大。

「母さん。エレベーター降りたら右な!1001号室ね! 
この階は2軒しかないからな。
ココのコレに差し込んで抜くとドアの鍵が開くからね! わかった?」

「え? 鍵じゃあないの?カード? 
カードが鍵なのね! ハイハイ…」


「大丈夫かよ〜? わかった?
あと、出る時は自動で鍵が掛かるからゴミ出しにも鍵持って出てよ!」

「うん。わかった。」

「じゃあ入ろう。」 ガチャ

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