トンネルの向こう側
「わぁ〜スゴイ! 広〜い! え!
ちょっと〜 何部屋あるの? ココ…」

「5LDK! 将来結婚しても同居できるからさ!」

「将大、考えが大人になったねぇ〜
岡部さんと、恭弥さんのおかげだわ〜
ところでさ〜 ココ幾らしたの?」

「ハハハ! 内緒〜! 
ココが空いてすぐ、岡部さんが教えてくれてさ、前に住んでた人がすぐに現金が欲しかったみたいで、岡部さんが値段交渉してくれて安く手に入ったんだ! 
多分、新築の価格の半分くらいになったと思う。

その代わり…
築8年の物件だったけど、綺麗でしょう?
オレもココに引っ越しして半年くらいだし〜」

「将大、岡部さんと、ホストの恭弥さんってこの辺の有力者なの?」

「いや〜、違うと思うけど…
頭のキレる方々かなぁ〜
兎に角、理由はわからないけどオレは親切にしてもらってるんだわ。
母さんも会う時は、良〜くお礼して!」

「うん。わかった。」

「一旦荷物置いて、管理人室の関口さんに手土産持って挨拶行くよ! 
母さんの登録もするからね! 
あ、写真撮られるから化粧直しした方が良いわ」

「え!写真?」

「住人以外は、厳重な対応なんだわ。
明日、引っ越し業者の搬入の件も伝えておかないといけないし。」

「ちょっと待って〜 化粧直しするから」

「うん。 関口さんに挨拶したら、そのままキッチン岡部でメシ食いながら挨拶したいけど、恭弥さん時間空いてるかなぁ」

将大は、数日前に2人にマンションへ戻る日や引っ越しの搬入日は伝えてあったが、
これから、キッチン岡部で2人に母親を紹介したいと、恭弥に連絡して都合を聞いてから岡部に電話した。




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