トンネルの向こう側
ゴールデンウィークになる前、

友貴から連絡がきて居酒屋へ飲みに行った。

「よう、マサ!元気だったか?」

「お〜! 友貴の背広姿!似合ってるな!
どこに就職したんだ? 仕事はどう?」

「俺は、 〇〇株式会社に就職して、営業に配属になったんだ。」

「友貴、スゲェな!大手の食品メーカーじゃん!
おめでとう!」

「へへへ。ありがとう。マサは?今もホスト?」

「イヤ、 去年の秋に親父が突然亡くなってさ、母さんと2人でコッチに住んでて、
今は、たぶん…友貴の会社も近いと思うけど…
オフィス街の裏通りの洋食屋さんの店長でコックしてるんだわ」

「え! 親父さんが亡くなったのか?知らずに…ゴメン。」

「ううん。大丈夫。 
友貴はゴールデンウィークに実家に帰省するのか?」

< 71 / 257 >

この作品をシェア

pagetop