トンネルの向こう側
翌月の1周忌には、親戚と父さんの法要をすませた。
母さんは、ウチに戻っても仏壇の前で父さんと話しをしてるのか、ジッと座って遺影を見つめていた。
俺は、簡単な夕食をつくり母さんと食べた。
「母さん、大丈夫か?もしなら明日仕事休むか?」
「え! 大丈夫。ゴメンねしんみりしちゃって。明日からまたバリバリ働くよ!
仕事してると、嫌な事も忘れるしね!」
「母さん、無理しないでくれよ。
1人で溜め込むなよ。
家族に我慢はしないでくれな。」
「うん。わかってるよ。ありがとう」
翌日からは、またいつも通りの母さんだった。