トンネルの向こう側
「みなさん、大丈夫? 怪我してない?」

「助けて下さって、ありがとうございます。」

ペコリ

「すみませんでした。助かりました。」ペコリ

「ありがとう… ござい…ました。」
さやかだけが、少し震えていた。
さっき掴まれた手首を撫でている

「ゴメンね、手首見せてくれる?」
さやかの手首あたりの上着の袖をそっと上げると掴まれた後が赤くなっていた。

「ああ〜真っ赤になってるね〜
あのさ、またさっきの店に戻ってくれる?
帰りは俺が車で送るから…」

恭一は岡部さんに直ぐに連絡した。
「もしもし、岡部さん? さっきの女の子たち連れてくから、湿布出してもらえますか。
はい。はい。ええ、俺が送ってきます。はい。」

キッチン岡部に着いた。店の中にはお客様はいない。

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