トンネルの向こう側

「岡部さん! 」

「ちょっと待って〜」
岡部さんが救急箱を持って、ホールにきた

「あぁ、先程のお客様… どうしたの?」

「ホスト達に無理矢理店に連れてかれそうになっていて、この子の手首を思いっきり引っ張ってて… 真っ赤になってるんですよ!」

「どこのホスト?」

「ディープシー だそうです…」

「え? そう… ゴメンね、痛そうだね。
湿布貼るね。」

「岡部さん、俺、車持って来ますのでそれまでお願いします。」

「わかったよ。じゃあ、
可愛らしいお嬢さんたちにはココアを淹れようか」


さやかは、右手首に湿布を貼ってもらい尚美も有紗も、ビックリしたのか黙っていた。

「美味しいインスタントココアをどうぞ!」

私たちは、はっ!としてからクスクス笑って椅子に腰掛けてゆっくり飲んだ

「かわいそうに、ビックリしたね。3人とも…
さっきの恭一が、みんなの家まで送るから、
今日は電車じゃあなく送ってもらいなさい。」

尚美、有紗、さやかは
「はい。……」と返事をした。

車が店の前で止まった。

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